マーレのみやげ物

ツアーガイドが自分の「知り合い」のみやげ物屋に案内するとか、いい店だから安心だ、などと言って如何にも胡散臭い店に案内することがある。この場合、本当に胡散臭いかどうかを判断するには、

これらを満たす場合は、まず吹っかけられることは間違いない。空港で同じ品物を見たので値段をチェックしたが、こうした店で買った値段の半値以下だった。他の旅行地なら逆で、空港のほうが概して高いはずであろう。
従って、こういった場合の対処はこんな感じだろうか。

マーレに行かなくても、大抵のものは空港のみやげ物店・免税店(ART PALACEという大きな店がある)で揃ってしまうのだ。

私たちが遭遇したツアーガイドについても書いておこう。「アイランズコレクション」で予約を入れて来たと書いたが、ご多分に漏れずツアーガイドが空港やマーレやエアタクシー(水上飛行機)での手続き手伝いのために付いてくれた。
最終日にエアタクシー乗り場から空港ターミナルへ戻ったら、そのガイドが待っていた。それまで殆ど日本語を使っていたにも関わらず、「マーレの観光をするか」と英語で聞かれた。こちらが「料金は」と聞いたら「タダ」っていうんで、行き帰りのドーニが不安なので一緒に行ってもらうことにした。日本語で説明できるくせに、そこから先は何故か英語での説明に終始。今考えると非常に胡散臭い。

ガイダンスは勿論無料(ツアー代金込み)なのだが、マーレ観光についてはツアー料金には入っていないだろう。そう、これらツアーガイドは、客がツアー最終日にマーレで時間を潰すときにまさに「本領」を発揮するのである。自分の知り合いのみやげ物屋へ観光客を紹介すると、売上の何%かのマージンが手に入るからである。これが彼らが観光客を離したくない最大かつ唯一の目的なのである。それまでは日本の旅行会社から請け負っている仕事であるから親切かつ丁寧にこなしているのだが、みやげ物屋へいざ案内する前後になると途端にぞんざいな対応になる。急に英語説明になったのもその前触れであったのか?

マーレ観光の案内だけ若いアンチャンに交代した。こいつはネプチューンの名倉に良く似た奴で、自分でナグラと言っていた。殆ど日本語は話せず、専ら英語。コイツは手際よく空港からマーレ行きのドーニを捕まえて(しかも船頭が「知り合い」とかで運賃はタダ)、観光も30分ほどでさっさと済ませた。マーレのART PALACE(ガラス張りの綺麗なビルで、値札付きのみやげ物屋)の横を通り過ぎて、如何にも胡散臭いみやげ物屋街に入り込んだ。途端に何人ものポン引きが日本語で話し掛けてくる。鬱陶しいことこの上ない。
2つ店をまわったのだが、一つ目の店はフリードリンク、値札なしの典型的な吹っかけ店。メインストリートにあるからなのか、強気。日本語を流暢に使いまわし、これはいかが、あれも良いよ、みたいに次から次へとモノを出してくる。私たちは殆ど乗らない。買う量を出来るだけ減らしたつもりが、どエラく高い買い物となった。だって倍の値段だもの。値切りも1割くらいしか利かなかった。
二つ目の店はメインストリートから外れた店で、結構安いものも置いてあったが、大した品は置いてない。色々品物を紹介されたけど、説明を受けること自体が空しく、何も買わずに出た。

ドーニの港へまた戻ったのだが、急に奴は「ちょっと待ってて」と言い残して消えてしまった(今考えると、さっきのみやげ物屋からマージンを受け取りに行っていたのかも)。またもや途方に暮れてしまったのだが、幸い「アイコレ」の日本人スタッフの方と偶々その場所で会えたため、事情を話した。あぁアイツか、みたいな言い方をしていたので、これっていつものことらしい。放っといて船に乗りましょう、ということで、空港に戻る船に乗ってしまった。
「マーレは如何でしたか」との問いには「胡散臭いですね」と返したが、「これがモルディブの本来の姿なんですよ」とポツリ。


マーレで前泊が必要な場合/帰りにフライトまでの時間が空く場合

フルレ(空港)は本当に空港施設しかなくって、時間をつぶすためのスペースが皆無に等しかった。だから、みんな隣の島のマーレ(首都)へドーニで渡っていたんですね。だが、このたびFulhule Island Hotelができるっていうのをガイドブックで知っていたので行ってみた。レストランを使っただけだったが、これだけでも非常にGoodでした。
2000/8/14にオープンしたばかりとのことで、当時は未だオープンしていないショップもあった。空港ターミナルから少し離れたところにあるのだが、勿論送迎車は無料で出ていて快適。

マーレ市内のホテルより料金的には5割増し位になると思われますが、それでもその料金差を上回る快適さが付いてくることは間違いない。
市内のホテルはどこも日本でいうところのビジネスホテルレベルの設備しかなく(まぁただ寝るだけだから設備なんてどうでもよいかもしれないが)、しかも空港の島からドーニで往復移動しなくてはならない。

このホテルの設備は並みのレベルではない。マーレのホテルに泊まったことがある人ならその差に絶対に驚くはず。ビジネスホテルとは比べ物にならない。
食事にしても実に本格派であり、リゾートでない市街地でこれだけのものが食べられるのか、というハイレベル。マーレ駐在の日本人もわざわざここに食べに行くのだそうだ。シンガポール航空の資本が入っているようなので、その点からもモルディブとはかけ離れているかも。

少しでも安く済ませたい、という人にとってはマーレのホテルに目がいってしまうかもしれないが、このホテルの出現によって、前泊が必要な遠い環礁でも個人手配の旅行が可能になったことに注目したい。エアー、リゾート(遠い環礁のリゾートの場合は水上飛行機込みでレートを出してくれる)、このホテル(前泊/デイユース)を押さえればもはや旅行会社を通す必要がなくなり、コストが全般的に抑えられることになる。リゾートにE-mailなどして料金を直接聞いてみると、代理店経由より如何に安いかがわかるだろう。



(Hiro)

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